相続登記の義務化はじまりました

こんにちは、司法書士の五十嵐弥生です。

今年の4月から相続登記の義務化がはじまりましたね。そこから約2か月が経ちました。

(以下、法務省ウェブサイトより https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

相続(遺言を含む。)により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、
かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられました(不動産登記法第76条の2第1項)。
また、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象となることとされました(同法第164条第1項)。
この相続登記の申請義務化の施行日は令和6年4月1日ですが、施行日より前に開始した相続によって不動産を取得した場合であっても、
相続登記をしていない場合には、相続登記の申請義務化の対象となり、
令和9年3月31日まで(不動産を相続で取得したことを知った日が令和6年4月以降の場合は、その日から3年以内)に相続登記をする必要があります。
(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則第5条第6項)。

と新しいルールがはじまり、少し慣れてきた時期ですが
そろそろ疑問点もでてきますよね。以下、気になりそうなことについて抜粋してみました。

(以下、法務省ウェブサイト 相続登記の申請義務化に関するQ&Aより https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html

Q 相続登記が義務化されるのはなぜですか?

(A)
所有者が亡くなったのに相続登記がされないことによって、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、
周辺の環境悪化や民間取引・公共事業の阻害が生ずるなど、社会問題となっています。
この問題を解決するため、令和3年に法律が改正され、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。

Q 亡くなった親が所有していた不動産について、遺産分割の結果、私の兄が相続した不動産があります。
兄は相続登記をしていないようですが、私にも相続登記の義務があるのでしょうか?

(A)
相続登記の義務は、不動産を相続で取得した方が対象ですので、あなたには相続登記の義務はありません。

Q 過料が科される場合の流れを教えてください。

(A)
次の(1)から(3)までのとおりです。
(1) 登記官が、義務違反を把握した場合、義務違反者に登記をするよう催告します(催告書を送付します。)。
(2) 催告書に記載された期限内に登記がされない場合、登記官は、裁判所に対してその申請義務違反を通知します。
ただし、催告を受けた相続人から説明を受けて、登記申請を行わないことにつき、
登記官において「正当な理由」があると認めた場合には、この通知は行いません。
(3) (2)の通知を受けた裁判所において、要件に該当するか否かを判断し、過料を科する旨の裁判が行われます。

Q 相続登記を行わないことについて「正当な理由」があれば過料が科せられることはないとのことですが、
どのような場合に「正当な理由」があると認められるのですか?

(A)
相続登記の義務の履行期間内において、次の(1)から(5)までのような事情が認められる場合には、
それをもって一般に「正当な理由」があると認められます。
もっとも、これらに該当しない場合においても、個別の事案における具体的な事情に応じ、
登記をしないことについて理由があり、その理由に正当性が認められる場合には、「正当な理由」があると認められます。

(1) 相続登記の義務に係る相続について、相続人が極めて多数に上り、
かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合
(2) 相続登記の義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合
(3) 相続登記の義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合
(4) 相続登記の義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に
規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合
(5) 相続登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合

相続登記の義務化が実際に始まると、「こういう場合はどうなんだろう?」と
疑問点が色々でてくると思います。新しいルールはまだ先例がないのでなかなか具体的な答えが出てこないことが多いです。

もし何かわからないことがあって困ったときには一度弊所までお問い合わせください。

 

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