遺言の他にも使える方法②

こんにちは 司法書士いがらし事務所の五十嵐弥生です。

前回の記事はこちら。「遺言の他にも使える方法①」
では遺言と配偶者居住権の関連についてお話しますね。

配偶者居住権ですが、亡くなる前の段階でも自分の死後のことを考え

先に配偶者居住権設定仮登記をすることができます。

生前に夫婦間で死因贈与契約(自分が死亡したら贈与しますという内容の契約)を
交わし配偶者居住権設定仮登記をすることで配偶者死亡の時から、

配偶者居住権の設定ができるものです。

これって少し前のコラム「言いたいけど言いづらいアドバイス」
具体例として子連れの再婚のケースの問題点を記載しましたが
その時の対応にも使えるんです。

居住権があれば今住んでいる場所に配偶者が死亡後も同じように住むことができます。
子供の学校や保育園、会社への通勤、病院やスーパーなど、
住む場所が変わると生活が一変します。
配偶者が死亡するという大きな出来事があったあと
さらに生活環境が一変すると心の負担もありますよね。

ですので住む場所が守られているのはとても大きな安心になる思います。

もちろんあくまでこれは居住する権利だけなので
所有者は別の相続人になる可能性もあります。
あくまで配偶者が居住する権利なので残された配偶者死亡後は子供達のみには
居住権は相続されません。
また死因贈与なので遺留分侵害額請求の対象になります。

ここまでご紹介したのですが残念ながら
配偶者居住権設定の仮登記をしたところで万能ではありません。
あくまでも一つの方法です。

でも再婚同士のご夫婦で相続の話をするときに
前妻との子、前夫との子より私たちを優先して相続分を残してほしいって
言いづらいですよね。
そんなときに今までと同じように生活していきたいから
居住する権利だけは守ってほしい、
それならまだ話しやすいんじゃないかと思います。

そこから話し合いを深めて遺言や将来のことを考えればとても良いと思います。

困ったときはいつでも司法書士いがらし事務所までご相談ください。